うさぎの歯並びの異常、不正咬合に注意!
「最近、うちのうさぎがよだれを垂らすことが増え、ペレットを食べるスピードが遅くなった。でも元気だから大丈夫?」
こんな症状が見られたら、すぐに動物病院を受診してください! うさぎの不正咬合(歯並びの異常)の可能性があります。
うさぎの三大疾病とは?
うさぎには特に注意すべき三大疾病があります。
- 不正咬合(歯並びの異常)
- 子宮疾患(特にメスで発生率が高い)
- 消化管うっ滞(急変の可能性あり)
今回は、「不正咬合」について詳しく解説します。
不正咬合とは?
うさぎの歯は一生伸び続けるため、噛み合わせがずれるとどんどん悪化してしまいます。 不正咬合には、大きく分けて切歯(前歯)の異常と臼歯(奥歯)の異常があります。
不正咬合の症状
うさぎは痛みを隠す動物なので、飼い主が気づきにくいことが多いですが、次のような症状が見られたら注意してください。
- 食欲がありそうなのに、残す
- ペレットは食べるが牧草を食べなくなる(逆もあり)
- よだれが多い
- 歯ぎしりをする(痛みのサイン)
- 涙が多く出る、目やにが増える
- くしゃみ、鼻水が出る
- 顔にしこり(膿瘍)ができる
- 片方の目が飛び出してくる(眼球突出)
これらの症状のいずれかが見られたら、不正咬合の可能性大!
不正咬合の種類と原因
1. 先天性(生まれつき)
- 生後2〜3ヶ月頃に発見されることが多い
- 切歯(前歯)の不正咬合から始まり、進行すると臼歯にも影響
- 矯正や手術で改善できる可能性はほぼ皆無
2. 後天性(成長後に発生)
- 3〜4歳以降に発症しやすい
- 臼歯(奥歯)の不正咬合から始まり、進行すると切歯にも影響
- 一度発症すると完治は難しく、生涯治療が必要
不正咬合の2つのタイプ
① 臼歯棘化(奥歯が尖る)
- 牧草を食べにくくなる
- 歯が舌や頬に刺さり、口内炎を引き起こす
- 食欲はあるのに痩せる
- 歯ぎしりやよだれが増える
② 歯根過長(歯の根が伸びる)
- 眼や鼻に影響しやすい
- 涙が多くなる、目やにが増える
- くしゃみ、鼻水が出る
- 顔にしこり(膿瘍)ができる
治療と予防
治療方法
- 臼歯棘化 → 尖った部分を削る(麻酔下処置が一般的)(無麻酔でも可能な場合もある)


- 歯根過長 → 対症療法(根本的な治療は難しい)
- 切歯の不正咬合 → 定期的にカット(1ヶ月に1回程度)(ニッパでのカットは禁忌)




不正咬合の予防について
うさぎの健康な歯を守るために、一番大切なのは 「牧草をしっかり食べてもらうこと」 です! 🐰🌿
主食はチモシーなどの繊維質の多い牧草を!
→ 牧草をよく噛むことで、自然と歯が削れ、健康な歯並びを維持できます。
▼当院のおすすめはこちら
<やみつきむしゃむしゃソフトヘイBar>

<かじがじフェンスS>

ペレットの硬さはあまり関係ありません
→ ハードタイプ・ソフトタイプどちらを選んでも、不正咬合の予防には大きな差はありません。大切なのは、ペレットよりも牧草をしっかり食べることです。
かじり木や牧草が歯の健康に効果的
→ かじり木だけでは不正咬合の予防には不十分。しっかり咀嚼できる牧草を中心にしましょう。
定期的な健康診断が安心につながります
→ 1歳未満と3歳以上の子は特に注意! 早期発見・早期治療が、うさぎの負担を減らします。
「最近、牧草を食べる量が減ったかも?」と感じたら、迷わずご相談くださいね。
小さな変化に気づくことが、うさぎの健康を守る第一歩です!🐰💛
まとめ:早期発見・予防がカギ!
不正咬合は放置すると悪化し、治療が長期化します。特に、食欲はあるのに痩せてきた、よだれが多い、涙や鼻水が出るといった症状が見られたら、すぐに動物病院で診察を受けましょう!
うさぎの健康のために、日々の観察と適切な食事管理を心がけてください。
コメント