つい先日、乳腺の部分が腫れているとのことで来院された患者さんがいらっしゃいました。flair
そういった場合、幾つか原因が考えられます。sign03
乳腺腫瘍であったり、乳腺炎であったり、
偽妊娠によって乳汁がつくられ、乳腺が膨らんでいる場合もあります。
本日は偽妊娠について紹介させて頂こうと思います。
人の想像妊娠と同じように動物にも偽妊娠があります。
偽妊娠は女性ホルモンの異常により妊娠していないのに体が妊娠してると勘違いしてしまう状態です。
偽妊娠となった場合、
乳腺が腫れる
母乳が出るといった症状から
つわりのような症状や
巣作り行動をしたり、
ぬいぐるみや人形を子供に見立てて
母乳をのませようとしたり人形を話さなかったり
といった子育て行動をとることがあります。
偽妊娠となることによって乳中が作られ、気にして自分でなめてしまうことで、
感染症を起こしてしまうと、乳腺炎となってしまうこともあります。
通常の妊娠では発情から20日ほど経ってつわり等の症状が出てきます。
しかし、偽妊娠の場合、発情から一か月以上経ってからつわりのような症状が出ることがあります。
発情の時期をしっかりチェックしておけば妊娠か偽妊娠か区別出来るかもしれません。
偽妊娠となった場合、ホルモンを調整する薬などもありますが、治療として何もしないのが一般的です。
もちろん乳腺炎などを起こしていれば、その治療をおこなったりもします。
しかし、ホルモンを調整する薬は他のホルモンバランスを壊してしまう可能性もあるので慎重に投与しなければなりません。
そのため特に体の異常がない場合は、何も治療をしないということもあります。
飼主さんが出来る対処法としては、巣作り行動を強制的に止めさせてあげるといったことです。
ぬいぐるみなどを偽妊娠中の動物から離してあげ、想像妊娠という体の勘違いを忘れさせてあげるのも一つの方法ですね。
また卵巣子宮摘出手術は偽妊娠の予防にはなりますが、
偽妊娠中に手術を行うと逆にホルモンバランスを崩して、偽妊娠の期間を長くしてしまうことがあります。
そのため、偽妊娠への対応はしっかりと動物病院等で相談されてから行うことが望ましいですね。
まだまだ寒いですがこれから春が近づいてくるとわんちゃんなど発情が起こってきます。
すると発情の後に偽妊娠などの症状を示すことがあるかもしれません。
わんちゃんねこちゃんのちょっとした変化でも慌てず対応できるよう、参考にして頂けたら幸いです。